【森本医師連載】回想法に役立つ『郷土絵葉書』
2023-11-14
カテゴリ:【森本医師連載】
第2回 シン・風景今昔~城山編①
こんにちは!
今回は、すべての佐伯市民にとって心の風景である城山について、戦前の郷土絵葉書と現在の風景を比較しながら2回に分けてご紹介します。
この郷土絵葉書は明治末から大正初期に撮影された写真で、当時の番匠川から見た城山と池船橋です。(※戦後の河川改修で現在は中江川になっています。)
城山の樹木の状態から、当時も頂上からの展望が良好であったことが偲ばれます。同じように昔から展望に優れていた大分市の上野丘や鶴崎の地蔵山は現在は戦後に樹木が生い茂って市街の風景がほとんど見えなくなっている状況と比べると、改めて素晴らしいと思います。
城山の麓の三の丸には御殿がありましたが、市内の住吉神社に一部が移築された後、佐伯文化会館が建設されました。前回ご紹介したように、佐伯文化会館には菅一郎画伯が描いた「神の井」を原画とした緞帳があり、市民に長年親しまれていました。
城山を登ると本丸から佐伯湾の八島や佐伯市街が見えます。現在も展望が素晴らしく、郷土絵葉書で撮影された写真から定点比較ができます。
※本記事は広報誌「にしだ便り」第24号(令和5年1月発行)に掲載されています。

【森本医師連載】回想法に役立つ『郷土絵葉書』
2023-10-03
カテゴリ:【森本医師連載】
第1回 奉安殿と馬場の松
昭和14~15年(1939~1940年)以前に生まれた方に、「小学校に奉安殿はありましたか?」と尋ねると、認知症が進んだ方であってもほとんどの方は、「ほうあんでん、、、あった!あったで。そこで校長先生もみんなお辞儀をしよったで。若いのによう知っちょるなあ。。。」と仰って下さいます。奉安殿は大正から昭和戦前期にかけて、日本の全ての学校のグラウンドや講堂に設置され、中に天皇皇后陛下の御写真と教育勅語が収められていました。
絵葉書1枚目の右側に、県立佐伯中学校(現在の佐伯鶴城高校)に昭和3年(1928年)に設置された奉安殿の写真があります。左側には昭和11年(1936年)に増改築された佐伯中学校の本館と、江戸時代から伝わる馬場の松が映っています。
※本記事は広報誌「にしだ便り」第23号(令和4年9月発行)に掲載されています。

【森本医師連載】回想法に役立つ『佐伯の風景今昔』
2023-10-02
カテゴリ:【森本医師連載】
自己紹介
こんにちは!内科の森本卓哉です。
私は郷土史愛好家で、学生時代からこれまで千枚以上の大分県の郷土絵葉書を収集してきました。 当院の「ものわすれ外来」では 、認知症診療を行う中で「回想法」といって、 患者さんの青少年時代の懐かしい思い出(遠隔記憶)を語って頂くこともあるのですが、誰もが馴染みのある昔の風景を撮影している郷土絵葉書は良い題材となります。このコーナーでは、佐伯の郷土絵葉書を中心にご紹介して、読者の皆さまと楽しみながら脳と心のリフレッシュを図りたいと思います。
私は郷土史愛好家で、学生時代からこれまで千枚以上の大分県の郷土絵葉書を収集してきました。 当院の「ものわすれ外来」では 、認知症診療を行う中で「回想法」といって、 患者さんの青少年時代の懐かしい思い出(遠隔記憶)を語って頂くこともあるのですが、誰もが馴染みのある昔の風景を撮影している郷土絵葉書は良い題材となります。このコーナーでは、佐伯の郷土絵葉書を中心にご紹介して、読者の皆さまと楽しみながら脳と心のリフレッシュを図りたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
